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火災が発生したら

地震発生時には、まず自分と家族の命を守る事が最優先ですが、火災を起こさないように咄嗟に行動する事が、被害を最小限にくい止める事につながります。大地震の混乱の中、消防隊や救急隊の到着が遅れる可能性もあり、迅速な援助を期待できないからです。

万が一、火が出てしまっても小さなぼやのうちなら火を消す事が可能です。
また、脱出する時には煙の怖さについても知っておく必要があります。火災が起きた際、火による被害よりも煙による被害のほうが大きいからです。

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小さなぼやのうちに初期消火

●初期消火のタイミング
地震の時の2次災害として最も大きな被害ももたらすものが火災です。

まずは、地震の揺れを感じたら咄嗟にコンロやストーブの火を消す習慣をつけておきましょう。たとえ、出火してしまっても火が周囲に燃え移るまでには、2分~3分かかります。この2分~3分の間が初期消火のタイミングです。

落ち着いて行動すれば、一般の主婦でもぼやのうちに火を消す事は可能です。

●石油ストーブが倒れたら
消火器を使って火を消すのがベストですが、近くにない場合は燃えている上からバケツの水を一気にかぶせるようにかけます。また、毛布や布団をかぶせてその上から水をかけるのも有効です。

大きな地震に備えて、暖房やストーブは「揺れた時に自動消火」するタイプのものを選んでおくと安心です。

●油のなべに火がついたら
大量の野菜やぬれタオルなどをなべに一気にかぶせます。また、大きめのふたを手前からすべらせて空気を遮断すると、火が消えてきます。

●電気器具から火が出たら
電源を切り、コンセントを抜きます。周囲に燃え移ったら、消火器を使用します。

●ガス器具から火が出たら
周囲にガスが漏れていないかを確かめ、ガスの元栓を締めます。プロパンガスの場合はボンベのバルブを締めます。火が周囲に燃え移った場合は消火器を使用します。

●家具や壁に火が移ったら
燃えている部分の周囲まで、水をたたきつけるようにかけます。 残り火で再び燃え出す事がありますので、念を入れて何回もかけておきます。

●天井まで火が回ったら
消火をあきらめ、一刻も早く避難しましょう。

煙の危険から身を守る

●白い煙のうちに脱出を!
火災で焼死する原因の多くは火よりもむしろ煙による窒息死と言われます。

煙は、火災が発生した当初は白く、次第に黄色になってきます。さらに黒い煙になり火の勢いが増して来ます。

脱出のチャンスはこの白い煙のうちだけで、黄色い煙や黒い煙になるにつれ困難になってきます。白い煙のうちに一刻も早く脱出しましょう。

●階上よりも階下へ逃げる
通常、煙は階段などから上へ上へと昇って行きます。その上昇速度は、時速20kmと言われ、人間が駆け足で逃げないと間に合わない速度です。

煙から逃れるには、階上よりも階下へ、それが無理なら横へ逃げ、避難口や非常階段から外に出るようにします。

●床に腹ばいになって脱出する
出口が近くにない場合は、床に腹ばいになり、はいながら脱出します。
煙は上へ上へと上昇するため、床面にはまだ新鮮な空気が残っているからです。

●ハンカチやタオル、ポリ袋を利用して逃げる
水で濡らしたハンカチやタオルを鼻と口に当てて逃げる方法も有効です。

また、ポリ袋の中に息を吐き、またこの中で息を吸うという事を繰り返す事により、ポリ袋が酸素ボンベ代わりになり、脱出が可能になります。大きめのポリ袋なら3分~5分くらいは持ちます。

衣服に火がついたら

逃げる途中で衣服に火がついてしまった場合、近くに水があれば、すぐに水をかけますが、水が見あたらない場合は立って逃げるより、床に横になり、ゆっくりところがるようにしながら火をたたき消すようにします。

火は縦方向に燃え上がる性質があるため、立っていたり、そのまま走ったりすると、より危険な状態になります。

近くに毛布などの布類があればそれに身をくるむ事により、空気を遮断し、火の勢いを弱める事ができます。

通電火災にも注意を!

大地震が発生すると、電力線の断絶などが起こり、電気の供給がストップします。
その後、数時間から数日後に電気の供給が復旧しますが、その時に起こる火災を「通電火災」と言います。

破損したり、倒れた電気器具に通電して火災が発生したり、ガスが漏れているところに通電して発火したり、壊れたコンセントやちぎれた電気配線に通電して発火したり、原因はさまざまです。

阪神・淡路大震災の時には、この通電火災が全火災の6割も起こっていたとの事です。
通電火災は家屋の全壊や半壊で住民が避難し、誰もいなくなったところで電気が復旧した時に起こります。

このような通電火災を防ぐには、大地震の際には電気のブレーカーを落とすようにする事です。
また、避難所に避難する際にも、家を出る前には必ず電気のブレーカーを落とすようにしましょう。

【参考ページ】
>>停電復旧時の通電火災に注意!


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