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警戒区域と避難区域

福島第一原発事故が起きた後、大きく分けて「警戒区域」、「計画的避難区域」、「緊急時避難準備区域」が設定されました。

その後、避難区域の見直しが行われ、「特定避難勧奨地点」、「避難指示解除準備区域」、「居住制限区域」、「帰還困難区域」が設定されました。

あってはならないことですが、今後日本のどこかで原発事故が起きたときのためにも、このような区域の内容について知っておきましょう。

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警戒区域と避難区域

●警戒区域とは
「警戒区域(けいかいくいき)」とは、災害対策基本法第63条に基づいて設定されるもので、災害による退去を命じられ、許可を得た者以外の出入りが禁止される区域を言います。

許可なく区域内にとどまったり、無断で警戒区域内に侵入した場合は10万円以下の罰金や拘留が科せられます。

警戒区域が設定される場合の災害とは、原発爆発や放射能漏れのほか、火山の噴火、火災、土砂災害、水害、風災なども含まれます。

過去には、1990年の長崎県・雲仙普賢岳平成新山の噴火活動時に警戒区域が設定され、一部解除されたものの平成新山周囲は山体崩壊の危険があるため、現在まで継続適用されています。

そして2011年、3月11日の東日本大震災時に起こった福島第一原子力発電所の事故では広範囲に放射能が漏れ、福島第一原発より半径20キロ圏内の福島県9市町村(双葉町、大熊町、富岡町のそれぞれ全域、南相馬市、浪江町、葛尾村、田村市、川内村、楢葉町のそれぞれ一部)が、4月22日の深夜0時より警戒区域に設定されました。

その後、この圏内に住む人を対象にバスによる一時帰宅が実施されたり、警戒区域の一部解除が行われましたが、依然として放射線量が高く、全面解除は難しい状況となっています。

●計画的避難区域とは
計画的避難区域は、福島第一原発事故に伴い2011年4月22日に設定されたもので、約1か月の間に避難のため立ち退くことを求めた区域です。福島第一原発から半径20キロ圏の警戒区域の外側になりますが、年間の放射線量の積算が20ミリシーベルトに達するおそれがあるため設けられました。

この20ミリシーベルトは、国際放射線防護委員会(ICRP)と国際原子力機関(IAEA)の緊急時被ばく状況における放射線防護の基準値(年間20~100ミリシーベルト)を基準にしています。

この計画的避難区域の場合は、避難を拒否したり、一時帰宅などで区域内に入っても特に罰則はありませんが、放射線量が高く、危険なことに変わりはありません。

計画的避難区域には、福島県の飯舘村全域、葛尾村、浪江町の警戒区域を除いた全域、南相馬市の警戒区域を除いた一部、川俣町の一部に設定されました。

●緊急時避難準備区域とは
緊急時避難準備区域は、同じく福島第一原発事故に伴い2011年4月22日に設定されたもので、原発から半径20~30キロ圏の住民に対し、状況に応じていつでも屋内退避や避難が行えるように準備をしておくことを求めた区域です。

この区域の場合は、必ずしも早急に避難をする必要はありませんが、子どもや妊婦、要介護者らの立ち入り自粛を求められました。

福島県広野町・楢葉町・川内村、および田村市と南相馬市の一部が指定されましたが、空間放射線量に問題がないことを確認したことから、政府は2011年9月30日にこの地域の緊急時避難準備区域指定を解除しました。

●特定避難勧奨地点
特定避難勧奨地点は、警戒区域や計画的避難区域外でも、事故後1年間の積算線量が20ミリシーベルト以上になると予想される地域に設定されました。2011年6月30日には、福島県伊達市の113世帯、7月21日に福島県南相馬市の59世帯が指定されました。

●避難指示解除準備区域
避難指示解除準備区域は、年間積算放射線量が20ミリシーベルト以下となることが確実であると確認された区域に設定されます。

●居住制限区域
居住制限区域は、年間積算放射線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがあり、住民の被曝放射線量を低減するために、引き続き避難の継続を求める区域に設定されます。

●帰還困難区域
帰還困難区域は、現時点で年間積算放射線量が50ミリシーベルトを超え、5年を経過しても年間積算放射線量が20ミリシーベルトを下回らないおそれのある区域に設定されます。

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